最近ハマっている本📕

今日は、読んで面白いと思った本の一部を紹介しよう。

同じ本の中を何か所か説明することもあれば、数冊を同時に紹介することもある。今日は一冊の中で面白いと思ったことを一つご紹介します。

 

最近僕が読んでいるのは、『失敗の科学』という本だ。

 

失敗に関して

これを読んでいるあなたにお聞きします。「間違えた」時、どのような気持ちになりますか?他者の目線を気にしますか?落ち込みますか?それとも、そこから学べることを考えますか?僕は失敗の内容にもよりますが、落ち込んでから学ぶ方ですかね(笑)

本書は、心配に関する人間の態度や考え方に焦点を当てた本。実は、業界ごとに失敗に関する態度や接し方に違いがあるんだそうな。まずそれに驚き。日本では、「間違えをするのはけしからん!恥ずかしい!」みたいな文化があるわけです。これは、自然なことだと僕自身は思っております。僕たち人間は、太古の昔、失敗したら食われて死んでいたような時代に生きていましたし、ネガティブを避けるように進化してきました。そのような視点を持つと、言い訳にも使えますが、それを科学的に切り込んでくるのがこの本であります。

 

何故言い訳をするのか

ところで、ここで、読んでいるあなたにもう一つお聞きします。何故、「言い訳」なんてことが起きるのでしょうか?ちょっと考えてみてください。失敗したとき「あの時はたまたま運が悪かっただけだ。」とか「今回のテストは自信がなかったし、しょうがないよね。」とか言いませんか?一部ポジティブシンキングにも近いですが、面白いと思いません?失敗すると、何故僕たちはこうも言い訳を言うのでしょうか?

それに切り込んでくるのが、マシュー・サイドさん。この本の著者です。彼によると、意外五なところに答えがありました。それは、認知的不協和です。これは、ある事実が起きたとき、その事実に関する解釈を脳で修正する、僕達の脳がもたらす現象です。例えば、あなたが川でおぼれている女性あるいは男性を助けたとします。その時、僕達の脳内では次のような処理がされます。

 

「自分は今、見ず知らずの人を助けた。なんでだろう?」とまず疑問に感じます。そして、次にこう思うのです。「あっ!そうか!あの人のことが好きだからだ!」

 

となります。これが、認知的不協和です。今回のはあくまでも別の書籍の例ですが、この本にも載っています。専門家がある政策から経済の予測をし、その予測が外れたとき、どのように反応するかというと、「いつとは具体的に書いていない。」、「今後はそうなる」などと解釈を変えてしまうのです。これが、人間の脳内で起きることなのです。

しかも、この認知的不協和、自分でも気づかないのです。これが、恐ろしいし、なおかつ面白い。僕も気づきません。一種のバイアスにも近いのでしょうか。

 

これを克服するには?

この認知的不協和、どのように解消すればいいのでしょうか?実をいうと、解消されません(笑)。こんなことを言うと身も蓋もないですが。しかし、だからといって希望がないわけではありません。ここからは僕の考えですが、勉強して意識することが大切でしょう。つまり、失敗して言い訳し始めたら、「今回の失敗、どのように修正しようかな?」「もし、数学者ならどう解釈するかな?」などと視点を変えることです。言い訳するよりも、よほど生産的ですし、合理的でもあります。

失敗したら、素直に認めるのが一番ですな。

 

参考文献

2016~2020

『失敗の科学』

 著者:マシュー・サイド

 翻訳:有枝春/株式会社トランネット