本書では、電気自動車(BEV)に関係する事柄を詳しく且つ分かりやすく解説している。BEVと聞くと、「充電するのがめんどくさい」「何となく環境にいいんでしょ」のような認識の方が多いと思う。その点この本は、そのような認識を一掃するのに打って付けの本なのだ。大体新しいものの否定というのは、無知からのことが多い。知っていたら、加減が分かるから、否定することにはならないのである。実際、日本ではBEVに触れる機会が少ないのではないだろうか。車を持っていない人は尚更だろう。大事なのは、知ることだ。この本では、簡単なことを知ることが出来るので、BEVへの認識が変わるだろう。
僕が驚いたのが、日産の電気自動車である「リーフ」だ。何が凄いのかというと、この「リーフ」、何と家庭の電気で3〜4日くらいならもつくらいならある、と言う。つまり、停電時には、3〜4日くらいなら、リーフの暖気で生活ができる、ということである。これは凄い事だ。そのくらいの電気の量を、あの車の中に貯め込むことが出来るのだ。これは、ガソリン車ではできず、BEVならではの利点だ。この本を読んで改めて思ったのが、「BEVの凄さが伝わってない」、という事だ。前はガソリンで走っていたのが、今じゃプラグを繋いで電気で走るのだから、近未来的だ。何しろ新しい車の形で面白いし、ワクワクするのだ。
そして、この本で、改めて「BEV」をもっと普及させるためにどうするのだろうと考える。そういうきっかけになるのが本書だ。僕自身、アイデアがある。例えば「試乗の機会を増やす」「政府専用車や日本政府の個人が使っている車を全てBEV化する」などだ。他にも、BEVのわかりやすい解説動画や海外の事例をもっと紹介する、などだ。そもそも本書を読んで思ったのが、知らない人ほど、懸念を示し、新しい技術を否定する、という事。知らなくて、感情的な部分で反論しているのだろう。それも「充電が面倒臭い」「危なそう」みたいな懸念だ。そんなものはいつでも技術で解決できる。
今後、日本でもBEVが勢いを増すと思うが、その時になって慌てて買うより、知識をつけた状態で買った方が、中にはいい人がいるだろう。そんな人にはうってつけの本だ。
是非、ご一読頂きたい。
参考文献
盛岡康博(2023) 『EV 電気自動車 要点がすぐにわかる![超まとめ50ポイント]: 90分で電気の基本と再エネも! 電気自動車(EV)基本書の決定版』