【書評】ご紹介!このように僕は睡眠の悩みを解決しました。『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』

 

 これをお読みの方で、「寝ること」の悩みを抱えたことがない人は果たしてどのくらいいるだろうか?恐らく、いないだろう。睡眠は、僕たちにとって、健康という視点から、欠かせないものだからだ。と、言いたいのだが、実際は健康以外にも、重要だと言える点が数多くあるのだ。実は、僕は結構睡眠に関して悩んできた人間だ。僕は、生まれつき眠りが浅い体質で、寝つきがよくてもすぐに起きてしまうのだ。どのくらい起きやすいかというと、アパートで隣の部屋の人の目覚ましが鳴ったとすると、その音で僕が起きるのだ。そのくらい、僕は睡眠の悩みを抱えてきた。だが、僕はこの本で睡眠の悩みを大方解消できたのだ。今回の書評では、どのように僕が睡眠を改善してきたのか、二つ、ご紹介しよう。

 

 まず、大前提として、睡眠を改善する際に重要となってくるのが、「自分を知ること」だ。というと、どこか胡散臭い自己啓発のようになってしまうのだが、これは、言い換えると「自分のクロノタイプを知る」ということである。クロノタイプとは、「概日リズム」といい、早い話が体内時計である。特に日本では、早寝早起きがもてはやされがちだ。ことわざで「早寝早起きは三文の徳」という言葉があるくらいだ。しかし、これは、3分の1は間違っている。なぜかというと、この体内時計は、遺伝子で決まっているからだ。つまり、体の設計図に、夜型になる記述があるのだ。言い換えると、生まれつき、体の、生物のルールとして夜型になる人がいるのだ。僕もかなりの夜型だが、そんな人が、早寝早起きなんてしたらどうなるだろうか?あっという間に、一日のパフォーマンスは下がってしまう。そして、睡眠の質も下がってしまう。自分の生物としてのルールを無視しているからだ。そこで、クロノタイプを知ることで、まずは自分の体のリズムを確認しよう、というのが第1ステップだ。

 

 二つ目に、僕は「食事・運動」を整えた。特に、食事は重要だ。質のいい睡眠をとるには、質のいい食事が欠かせない。何故なら、僕たち人間は、寝てるときに体の成長や修復をするからだ。つまり、寝ているときに体のメンテナンスをするのである。そんな大切な時間に、ラーメンなどの油モノや唐揚げなどの揚げ物、サラダ油で高温調理した肉なんて食べたら、どうなるだろう。体に炎症物質が取り込まれ、体に炎症を起こしてしまう。また、運動も大切だ。実は、この本によると、適度に運動をしていれば、睡眠の質が上がるというデータがあるのだ。特にうってつけなのが、朝起きた後に散歩をすることだ。太陽の光を浴びながら歩くことで、記憶力や思考力が1日中保たれ、仕事や勉強のパフォーマンスが上がる。また、太陽光で体内時計をリセットできるし、更に太陽光を浴びると、幸せホルモンといわれるセロトニンが出る。このセロトニン、実は睡眠ホルモンといわれるメラトニンの原料になるのだ。つまり、朝の散歩でポジティブな感情が生まれ、仕事のパフォーマンスが上がる。そして、夜にはセロトニンをもとにメラトニンが作られるので、眠れるようになる。まさに、人類には欠かせない習慣が散歩なのだ。

 

 ここまで見てきて、気づいた方もいると思うが、睡眠を改善するのに特別なことなんていらないのだ。僕も、何一つ特別なことをしていない。食事と運動を整え、自分の体内時計の傾向を調べただけである。なので、少し行動を改善すれば、かなり睡眠を改善できるのだ。実際に、著者であるメンタリストDaiGoさんも「健康を維持するのにそこまでお金をかけなくていい。食事、睡眠、運動の順で改善すれば、人生は好転する」と言っている。なので、この本は、睡眠だけならず、仕事や勉強がはかどらない人にも、うってつけの本なのだ。

 

 最後に、僕は睡眠の改善は人生の改善だと思っている。睡眠不足は、何と人間関係にも深く影響する。睡眠不足は、人をより自己中心的にさせる。すると、相手の話を聞かなくなり、魅力も30%低減する。また、周りの人間が敵に感じられたり、ネガティブ感情の感度も上がる。逆を言えば、睡眠はを改善すれば、これらの問題は解消されるのだ。さぁ、もうこれは一刻も早く睡眠をよりよくしたくなっただろう。ぜひ、本書を手に取り、あなたも悪民から脱出してはいかがだろうか?

 

参考文献

メンタリストDaiGo(2021)『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』リベラル社